Patreon ✖️ クアルトリクス

コンテンツクリエイターにとっての最大の願いは、ファンと直接つながること、作品に対する正当な報酬を得ること、広告主やアルゴリズムに大きく影響されるプラットフォームへの依存度を下げることです。しかし実際は、クリエイターとファンの関係は第三者プラットフォームを介して管理されることが多く、その運営元がプロセスを決定し、収益の大部分を得ています。

そのため、Patreonはファンとクリエイターがより深く、より有意義な関係を築けるように、仲介者を排除しています。

2013年にサム・ヤムとジャック・コンテが設立したPatreonは、アーティストが毎月のサブスクリプション料金として、または作品ごとに、ファンから直接収入を得ることができるプラットフォームです。クリエイターはPatreonを通じて、持続可能で収益性の高いビジネスを構築し、ファンとの交流を図りながら、優れたコンテンツを直接提供します。

Patreonは、コンテンツクリエイターとファンをつなぐだけでなく、常にほかのプラットフォームの一歩先を行っています。これが可能なのは、ユーザーデータを分析し、トレンドやニーズを把握しているからです。ロックダウンがコンテンツの需要に及ぼす影響から、ファンがコンテンツに払ってくれそうな金額まで、あらゆる動向を把握することで、ほかでは真似のできない体験を創出しています。

認知度を把握し、市場に応じてカスタマイズ

このようなPatreonの強みを支えているのが、クアルトリクスのBrandXMです。BrandXMを活用すれば、地域ごとに情報を収集して認知度を把握し、ブランドのマーケティングやメッセージングを洗練させて、プロダクトやサービスをカスタマイズできます。認知度の向上や口コミの拡散を図るための有料キャンペーンを展開し、体験の潜在的なギャップを特定することも可能です。

マーケットリサーチマネージャーのベロニカ・ダラー氏は次のように語っています。「社内各所の関係者から、ブランドのポジショニングとプロダクトの利用状況をもっと詳しく把握する必要があるという声が挙がっていました。Patreonはクリエイターを大切にし、サポートするブランドですが、ファンの視点から理解を深めるべき点もありました」

一方で、マーケットリサーチチームはBrandXMを利用して世界中のオーディエンスに関する詳細なインサイトも入手し、グローバルな戦略の立案に役立てています。

マーケットリサーチャーのウィル・チッテンデン氏はこうコメントしています。「日本や韓国にはサブスクリプションや会員制度が米国ほど定着していません。このような意識を変えるために、当社はこれらの地域にさらに投資する必要があるでしょうか？追跡システムを活用すれば、十分な情報をもとに投資すべきかどうかを判断し、しかるべきチームとデータを共有することができます」

Patreonはこうしたインサイトを活かして戦略に影響する要素を把握し、市場の変化を予測して、課題や新たな競合を明らかにしています。「私たちは台頭しつつあるライバルを評価し、長期的な影響を及ぼしそうなトレンドにも着目します。BrandXMは、自社の認識が正しいかどうかを検証し、ライバルやトレンドの重要度を見極めるうえで助けになります」（ベロニカ・ダラー氏）

コンテンツクリエイターの頼れるプラットフォームに

コロナ禍では、多くのイベント施設が閉鎖され、ミュージシャンやビジュアルアーティストなどのクリエイターは、ファンとつながるために別の方法を模索する必要に迫られました。表現や発表の場が失われたことで、ファンとの関係やクリエイティブの独立性がこれまで以上に重要となり、Patreonはその対応に乗り出しました。

Patreonはクアルトリクスのプラットフォームを活用してニーズを追跡し、クリエイターとファンとのつながりを守るための新たなサービスを開発しました。Patreonの認知度と評価が高まるにつれ、投資額も倍増し、飛躍的な成長を遂げています。同社が米国のユーザーを対象に実施したアンケートで「クリエイターを支援する、またはクリエイターから限定コンテンツを入手するためにどのプラットフォームを利用するか？」という質問をしたところ、YouTubeやFacebook、Instagram、TikTok、Spotify、Twitch、OnlyFansなどの競合を抑えてPatreonがトップに選ばれています。

クラス最高のBX・市場調査ツールという強力な武器を手にしたPatreonは、「業界が変化するか」ではなく「いつ、どのように変化するか」に目を向け、いつでも対応できる体制を整えています。