クアルトリクス、ヘルスケア体験のリーダーであるPress Ganey Forstaを67.5億ドル(約1兆800億円)で買収完了 ― 体験管理(XM)領域のリーダーシップをさらに拡大し、体験のコンテキストに関する世界最大級のAIデータセットを構築

May 19, 2026
share
copy
Qualtrics acquires Press Ganey Forsta

本日、クアルトリクスは、Press Ganey Forstaの買収を67.5億ドル(約1兆800億円)で完了したことを発表しました。これにより、当社の体験管理(XM)領域におけるリーダーシップをさらに拡大するとともに、体験のコンテキストに関する世界最大級のAIデータセットを構築します。

ヘルスケア体験において高い評価を得ているPress Ganey Forstaが、クアルトリクスのXMデータセットに統合されます。長年蓄積されてきた独自のヘルスケアデータと規制対応のノウハウが、業界最先端のXMのAIやデータプラットフォームと融合することで、さまざまな業界における体験管理のあり方を、まったく新しい次元へと導きます。

エクスペリエンスギャップ 

エクスペリエンスギャップとは、人々の期待と、企業や組織が実際に提供する体験との間にあるギャップのことです。社会はAIの普及とともに急速に変化しており、人々の期待はこれまでにないほど高まっています。 

そして、このエクスペリエンスギャップが最も大きな意味を持つのがヘルスケアの領域です。なぜなら、ヘルスケアにおけるエクスペリエンスギャップは、単なるビジネス上の課題ではなく、人の人生そのものを左右するからです。 

ヘルスケアは経済の中でも最も規模が大きく、重要かつ複雑な領域の一つですが、業界全体がいま、歴史的な逼迫に直面しています。コストは上昇の一途をたどり、人材不足や医療従事者の深刻な疲弊(バーンアウト)はますます深刻化しています。慢性疾患の増加や高齢化がさらに進み、すでに逼迫している医療システムにさらなる負荷がかかっています。その結果、患者は自分が受ける医療に対して、これまで以上の距離感や不安を感じるようになっています。医療や健康において最も不可欠な「信頼」が、今まさに大きく揺らいでいます。 

同時に、今この瞬間にもAIの進化は進んでおり、人々が日々のあらゆる体験に求める期待値を劇的に引き上げています。患者はもはや、自身の医療体験を近所の病院と比べているわけではありません。比較の基準となっているのは、ホスピタリティや旅行、外食、コンシェルジュ、デジタルサービスなど、日常生活のあらゆるシーンで受ける最高のサービス体験です。現代の患者は、スマートフォンでいつでもAIドクターに相談できる環境にあり、豊富な知識をもとに自ら判断して行動します。その一方で、医療機関を訪れる際には、依然として不安を抱えつつ、大きな期待も寄せています。

ヘルスケアはすべての人々の人生に深く関わるものです。だからこそ、医療の現場を支える方々には、本当に役立つツールが必要です。ここでいう本当に役立つツールとは、ダッシュボードやレポートを増やすことではありません。目の前の患者様のために、その瞬間に行動を起こすためのインテリジェンスです。

こうしたエクスペリエンスギャップは、ヘルスケアにおける本質的な課題です。しかし、クアルトリクスとPress Ganey Forstaが統合されたことで、この課題を確実に解決できるようになります。

体験管理こそ、人間中心のAI体験に欠かせないコンテキスト

クアルトリクスのXM AI・データプラットフォームは、大規模言語モデル単体では実現できない、人間に対する深い理解と文脈に沿った推論を提供します。これにより、企業独自の体験シグナルが、あらゆる重要な瞬間において、成果につながる信頼性の高い顧客体験へと変わります。

Press Ganey Forstaは、ヘルスケア体験における信頼のスタンダードです。Press Ganey Forstaの測定システムは、41,000以上のヘルスケア施設で信頼され導入されています。独自の強みであるこの優位性は、長年にわたり蓄積された患者様の声のデータ、さらには医療提供者、医療保険組織、急性期後ケアのリーダーの皆様との深い絆によって支えられています。医療提供の臨床、規制、そして運用の現場における実情に合わせて構築されており、他にはない大変優れたシステムとなっています。 

両社の連携により、ヘルスケア業界のリーダーは患者のニーズを先読みし、問題が表面化する前に対応できるようになります。これにより、ヘルスケアにおける体験管理は、従来の「問題が起きてから評価する」という受動的なものから、能動的に「事前に予測して動く」アプローチへと進化します。 

たとえば、予約の手続きで困っている患者様がいれば、あきらめてしまう前に適切なサポートを提供できます。バーンアウトの兆候を見せる医療従事者には、退職してしまう前に支援の手を差し伸べることができます。退院後に処方薬を受け取っていない患者には、症状が悪化する前にフォローアップの連絡が入ります。さらに、安全上のリスクも実害が発生する前にアラートで通知されます。これらの仕組みにより、医療の質を損なうことなくかかるコストを削減でき、医療チームは、システムではなく、本来の目的である「患者様のため」により多くの時間を割ける環境が整います。

Community Health Networkは、すでにその可能性を実証しています。同ネットワークでは、患者さんが予約手続きを途中で離脱してしまうケースが多発していました。医療が受けられないからではなく、予約プロセスの使いづらさが原因でした。そこで、患者様がどこでつまずいているのかを正確に特定することで、未完了のままだった予約を最後まで完了していただくことができるようになりました。患者体験が向上すれば、その後の行動も変化します。「その後の経過観察のために再診する」、「治療計画に従う」、「医療従事者を信頼する」、「体験の良さを周囲にも伝えてくれる」などといった行動につながる可能性が極めて高くなります。

「エクスペリエンスギャップ」を制する者が、未来を制する 

患者様もまた、消費者のひとりです。当社がヘルスケア分野で培った価値は、あらゆる業界へと広がっていきます。知的で、つながりが深く、応答が早くて人間味にあふれた顧客体験を提供したいと願うすべてのリーダーにとって、当社は揺るぎないパートナーとなるはずです。健康・ウェルネスデータがクアルトリクスのデータセットに加わることで、可能性はまったく新しい次元へと広がります。これにより、顧客の背景にある「文脈」をより深く理解できるようになり、あらゆる業界に大きなメリットをもたらします。

このデータセットは、AIを基盤とした次世代の「シンセティック・エクスペリエンス・インテリジェンス・システム」の中核を担うものです。これにより、前例のない規模での結果シミュレーションや、人々のニーズ・行動の予測、そしてより個人の好みに合わせた体験の提供が可能になります。

いまやすべての組織が、これまでの路線を維持するのか、それともAIを駆動力とする体験ファーストの組織へと変革を遂げるのかという戦略的選択を迫られています。 

「エクスペリエンスギャップ」は現実に存在しています。広がり続けるこのギャップこそ、現代における最大のビジネスチャンスです。これを埋める組織こそが、次世代のスタンダードとなるビジネスを確立し、顧客から揺るぎない信頼、ロイヤルティ、そして熱狂的な支持を獲得できるのです。

これが、私たちが実現を目指す未来の姿です。

ぜひ、ご自身で体験してください。

Related Content_

Explore More Articles

Article

The history of customer loyalty programs

Article

10 questions (and answers) from “What’s the Future of CX?”

Article

Your guide to the best customer experience management software