NPS(ネット・プロモーター・スコア)の計算方法
NPSは、既存顧客があなたの商品、サービス、または企業を他の人にすすめる可能性をもとに、全体的なカスタマーエクスペリエンスの質を測定する指標です。
NPSを計算するには、次のNPS計算式を使用します。
推奨者の合計% − 批判者の合計% = NPS
つまり、簡単に言えば、
あなたのブランドをすすめたい人の合計% − すすめたくない人の合計% = NPS
となります。
たとえば、NPSは次のように計算できます。
推奨者70% − 批判者10% = NPS 60
NPS計算ツール
NPSは-100から100までの整数で表され、ブランド体験に対する顧客の満足度を示します。
以下のNPSオンライン計算ツールを使えば、アンケートの回答からNPSを計算できます。
なぜNPSを計算するのか?
カスタマーエクスペリエンスプログラムでは、マネージャーやスタッフが顧客の感情や評価を数値化する必要があります。カスタマーエクスペリエンスを測定することで、結果を比較し、より良い結果を目指して改善に取り組むことができます。
顧客が満足していることを示す指標には、ブランドへのロイヤルティ、良好な顧客満足度、そして質の高いカスタマーサービスに対する高い評価などがあります。
こうしたデータは、将来の商業戦略、予算配分、製品開発計画に実際の影響を与える可能性があります。
このような場合、NPSは、顧客があなたのブランドについてどのように考えているのかを、顧客全体の代表的な傾向として把握するために活用されます。
では、実際に、あなたのブランドをすすめてくれる人と、すすめてくれない人をどのように見分ければよいのでしょうか?
また、NPSの計算結果が平均的なスコアなのか、それとも高いスコア、あるいは低いスコアなのかを、どう判断すればよいのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
TNPSの算方法をさらに詳しく理解する
あなたが好きなブランドを1つ思い浮かべてみてください。そのブランドを頭に思い浮かべながら、次の質問に答えてみましょう。
「0〜10の11段階で、あなたはこのブランドを友人や同僚にすすめる可能性がどのくらいありますか?」
顧客としてこの質問に答えることで、ブランドとの体験に対して価値をつけ、そのブランドを人にすすめることに責任を持つことになります。
あなたの友人や同僚は、あなたの品質に対する判断力を信頼している人たちです。もし、あなたのすすめに従った結果、彼らがひどい体験をしてしまったら、そのネガティブな印象は、あなた自身への評価にも影響するでしょう。
つまり、この質問で本当に問われているのは、
「このブランドをすすめることで、自分が長い時間をかけて築いてきた信頼関係にプラスになるのか、それともリスクを与えることになるのか?」
ということなのです。
NPSの計算方法は、このプロセスをより広い範囲で再現したものです。企業間(B2B)のビジネスにおいて、既存顧客に直接質問することで測定します。
評価は、0(まったくすすめたいと思わない)から10(非常にすすめたい)の11段階です。
回答内容によって、顧客は次の3つのカテゴリーに分類されます。
- 推奨者(Promoters):9または10と回答した顧客です。一般的に、ブランドに対して高いロイヤルティを持ち、熱心に支持している顧客です。
- 中立者(Passives):7または8と回答した顧客です。サービスには満足していますが、推奨者と呼べるほど高い評価や満足度には達していない顧客です。
- 批判者(Detractors):0〜6と回答した顧客です。不満を持っている顧客で、再び購入する可能性が低く、他の人に購入をすすめないよう働きかける可能性もあります。
この評価尺度における各グループの割合を見ると、中立者や推奨者になるよりも、批判者になる可能性のほうが広いことが分かります。
NPSは、次の計算式で測定します。
推奨者の割合から、批判者の割合を引きます。
推奨者の合計% − 批判者の合計% = NPS
(中立者の割合は、NPSの計算式には使用しません。)
たとえば、全回答のうち、
- 批判者:10%
- 中立者:20%
- 推奨者:70%
だった場合、NPSは、
70 − 10 = 60
となり、NPSスコアは60です。
NPSは、-100から100までの範囲になります。
理想的なスコアは100です。これは、アンケート回答者の100%が推奨者だった場合です。
ただし、NPSを計算するときは注意が必要です。NPSはマイナスになることもあります。
NPSの考案者であるCharlesSchwabが2003年に自身の会社を評価した際、そのNPSは-35でした。
自社のNPSと、それぞれのカテゴリーにどのような顧客が含まれているのかを理解することで、批判者を推奨者へと変えるために必要なアクションを取れるようになります。
では、そのために必要なデータを、どのように集めればよいのでしょうか?
フィードバックを集め、NPSデータセットを構築する
NPSアンケートを使ってデータを集める
すぐに顧客へメールを送り始めたくなるかもしれませんが、成功するためには、まずしっかりと準備することが重要です。
最初に、次の質問について考えてみましょう。
- ビジネスのどの部分を測定したいのか:ブランド、サービス、それとも製品?
- 顧客はどのようにセグメント分けされていて、どのセグメントをモニタリングする必要があるのか?
- 現在のテクノロジー環境で、結果の保存、データの分析・解釈、レポートの共有ができるか?
- 調査にかかる時間を短縮するために、自動化されたインサイトやカスタマイズされたアラートが必要なのか、それとも自分で分析する時間があるのか?
これらの質問への答えが明確になったら、NPSアンケートと顧客へのアプローチ方法を計画し始めることができます。
NPSをより正確に計算するためには、できるだけ多くの回答を集める必要があることを覚えておきましょう。
回答率が高くなれば、より多くのデータが集まり、顧客が実際にどのように感じているのかを、より深く把握できるようになります。
ただし、NPSの尺度で極端な評価をする顧客、つまり非常にロイヤルティが高い顧客や、非常に不満を持っている顧客は、意見を共有したいと考える可能性が高いため、結果に偏りを生じさせる可能性がある点には注意が必要です。
NPSアンケートソフトウェアが役立つ理由
研究者やカスタマーエクスペリエンスの専門家は、基本的なアンケートソフトウェアだけでは、自動化されたデータ分析や、複数のNPS調査を組み合わせたり比較したりする機能など、必要なすべての機能が含まれていないことに気づくでしょう。
Qualtrics NPS Softwareを使えば、NPSを測定、分析し、改善するための方法を、5つの柔軟で簡単な方法で活用できます。
- 顧客は、メール、メッセージングアプリ、モバイルなど、さまざまなチャネルから手軽にフィードバックを提供できます。
- 柔軟なダッシュボード、あらかじめ設定されたレポート、フィルターを活用して、顧客をロイヤルティ別にセグメント化し、改善状況をモニタリングしながら、ビジネス上の意思決定に必要な情報をリアルタイムで確認できます。
- カスタマイズされたアラートを活用して、ターゲット顧客のカスタマーエクスペリエンスを迅速に改善できます。また、不満を持つ顧客に対して「フィードバックのループを閉じる」ことで、悪い体験を素晴らしい体験へと変えることができます。
- NPSの調査結果を長期的に確認し、批判者の割合がどのように減少し、全体のNPSスコアがどのように上昇しているのかを見ることができます。以下は、批判者を推奨者へと変えていくことで、企業のNPSが時間とともにどのように変化するのかを示したシミュレーションです。
- 離脱する可能性のある顧客(中立者と批判者)を特定し、顧客を取り戻すための対策を講じることができます。たとえば、製品やサービスを0〜6と評価した顧客に対して、「サービスにご満足いただけなかったとのことで、申し訳ございません。今後、改善するためには何ができるでしょうか?」とフォローアップできます。
追加質問を加えてNPSアンケートを設計する
NPSの質問を1つだけ測定することは、カスタマーエクスペリエンスのベンチマークとなるスコアを設定するうえでは有効です。
しかし、そこからどうやって改善すればよいのでしょうか?
また、NPSのベンチマークと一緒に、どのようなデータを集めれば、NPSスコアを左右している要因を理解できるのでしょうか?
ここで重要になるのが、主要な要因です。
顧客の体験をより詳しく理解することで、そのスコアに影響を与えている、最も重要な体験の要素を特定できます。
また、強い意見を持つ顧客だけが回答しているなど、回答結果に偏りがあるかどうかを把握するのにも役立ちます。
たとえば、あなたがオンライン小売業者だとします。
顧客があなたのサイトで購入を完了した後、顧客アンケートを送ります。
「あなたの会社を他の人にすすめる可能性はどのくらいですか?」と尋ねるだけでなく、次のような質問もできます。
- 探していた商品を見つけるのはどのくらい簡単でしたか?
- 今日、当社から購入しようと思った理由は何ですか?[複数選択可]
- 以下の購入までの各ステップは、どのくらい簡単でしたか?[複数選択可]
さらに、ウェブサイトのアクセス解析などから得られる運用データを活用し、次のような要素を組み合わせることもできます。
- ページの滞在時間
- 参照元URL
- 閲覧したページ数
- ページの読み込み速度
これは、収集できるデータのほんの一例です。
より多くのデータを組み合わせるほど、NPSスコアに本当に影響を与えている要因を特定するためのデータポイントも増えていきます。
NPSスコアを分析し、活用する
NPSを業界のベンチマークと比較する
NPSの計算は、自社ブランドが顧客の期待に対してどの程度の成果を上げているのかを見るためだけに役立つものではありません。
同じ業界の他社と比較して、自社がどの程度競争力を持っているのかを測定するためにも役立ちます。
自社にとって「良いNPS」であっても、競合他社を上回るには十分ではないかもしれません。
結局のところ、同じ業界の他社が自社よりもはるかに高い割合で顧客を継続的に維持しているのであれば、その企業が顧客を自社へ引き寄せる可能性も高くなります。
Qualtricsの無料NPSベンチマークレポートを使えば、自社のNPS計算結果が競合他社と比べてどの位置にあるのかを確認できます。
20の業界、300社以上の企業から集めたNPSデータを活用したQualtricsのNPSベンチマークレポートでは、自社のNPSスコアを市場の他社と比較することで、新たな成長の可能性がある領域を特定できます。
データを活用して成果とカスタマーエクスペリエンスを改善する
NPSアンケートの結果を計算し、顧客に主要な要因について質問すると、主要因分析)や多変量回帰分析などの高度な分析を行うために必要な、十分なデータポイントが集まります。
これにより、カスタマーエクスペリエンスとNPSスコアを改善するために、具体的に何をすべきなのかを特定できます。
NPS業界ベンチマークレポートの結果と組み合わせれば、顧客ロイヤルティを高めるために活用できる、豊富なデータを手にすることができます。
NPSアンケートの結果を改善するために注目すべき、カスタマーエクスペリエンスの主な領域には、次のようなものがあります。
- 顧客ジャーニー:収集した回答や自由記述のフィードバックの中で、どのステップが問題として指摘されているか?
- ユーザー体験:ウェブサイトのパフォーマンスや使いやすさは、顧客ロイヤルティにどのような影響を与えているか?
- ブランド・エンゲージメント:顧客から問い合わせがあったときに、一部の批判者にだけ対応しているのか、それとも積極的にフィードバックのループを閉じ、批判者を推奨者へと変えているのか?
- 顧客との関係:ロイヤルティの高い顧客に適切なメリットを提供しているか、それとも新規顧客との関係構築を優先し、既存顧客の維持を後回しにしていないか?
QualtricsがNPSスコアの計算と改善をサポートする方法
Qualtricsを使えば、顧客ロイヤルティを簡単に測定できます。顧客が好んで利用するすべてのチャネルで、あらゆるタッチポイントにNPSアンケートを自動的に送信するNPSプログラムを構築できます。
NPSを計算するだけではありません。実際にアクションを起こし、組織全体でカスタマーエクスペリエンスを優先することで、ロイヤルティの高い顧客を増やすことができます。ターゲットを絞ったNPSアンケートを活用して、離脱する可能性のある顧客を特定しましょう。そこから得られる有益な結果をもとに、顧客とのより良い関係を築くための道筋を明確にすることができます。