市場調査とは
市場調査とは、組織の成功を左右する「顧客」から、直接フィードバックを得るための手法です。
フォーカスグループやインタビューのような個別アプローチとは異なり、市場調査では、顧客の行動から全体的な体験まで、標準化された質問形式で大量かつ詳細なデータを収集できるという特徴があります。収集したデータは処理しやすく、スピーディに実用的な洞察へ変換できる点も大きなメリットです。
市場調査で得られるデータには2種類あります:
- 一次データ:自ら収集する調査データ
- 二次データ:国勢調査など、外部の情報源から得るデータ
中でも「調査(サーベイ)」は、一次市場調査で最も一般的な手法です。
理由としては、定性・定量の両方の情報を幅広く集められ、顧客基盤全体を対象にした大規模な調査が可能であり、多くの人にとって回答しやすい形式であることが挙げられます。
無料ソフトウェアで市場アンケートを実施
アンケートを行う理由は?
調査の最終的な目的は「ターゲット層を理解すること」ですが、実は活用できる範囲は顧客に限りません。既存の従業員、将来の見込み顧客、さらには自社と関わりたくない人たちまで、誰でも回答者になり得ます。
こうした幅広い層からの回答は、「どんな人が自社と関わりたいのか」を見極める材料にもなります。ただし、アンケート調査だけで全てが解決するわけではありません。フォーカスグループ、フィールドリサーチ、観察調査、市場分析など、他の手法と組み合わせることで、市場の実態をより立体的に把握し、進むべき方向性をより確実に判断できます。
とはいえ、多様な調査手法が存在し、それぞれが「データ品質」「フィードバックの深さ」など異なる強みを持っています。
では一体どこから始めればよいのでしょうか?
アンケート調査の方法
各調査手法を最大限に活用するためには、投入できるリソースを以下の観点から検討することが重要です。
- 時間:調査結果はどれくらい早く必要でしょうか? また、調査を実施するための時間を十分に確保できますか?
- 資金:調査にかかるさまざまな費用をまかなう予算は確保されていますか?
- 分析知識:収集したデータを適切に解釈するための知識や訓練はありますか? もし不足している場合、必要なスキルを補ってくれるパートナーはいますか?
- 調査の専門性:調査を通じて明らかにしたい課題や問題は、きちんと定義されていますか?
- 技術的対応力:現在使用している調査ツールやソフトウェアは、必要なデータ分析レベルに対応していますか?
- 対象者の反応:対象者が調査に回答してくれる可能性は高いでしょうか? また、どの形式(オンライン調査など)が最も受け入れられやすいですか?
- 回答率の低下:回答率が下がらないように、事前に対策は講じていますか?
市場調査アンケートの実施:ベストプラクティス
今日の市場調査業界は、新しい技術の登場により急速に進化しています。これらの技術は、市場調査の実施を簡単にし、より強力で高度なデータ分析を可能にしています。
データ駆動型の調査は市場調査の標準となり、ブランド間の競争は優れた調査ツールの開発をさらに加速させています。現代のツールは、顧客満足度や人口統計、競合分析といった基本的な項目を超え、データを深く掘り下げてトレンドの要因を特定したり、顧客フィードバックに含まれる感情や態度までも把握できるようになりました。
とはいえ、どれほど技術が進歩しても、人間の役割がなくなることはありません。市場調査を成功させるには、特に電話インタビューや、既存顧客との関係維持が求められる場面などで、技術とともに洞察力・知性・直感を組み合わせる力が重要です。
このガイドで紹介してきたように、市場調査はブランドトラッキング、顧客体験調査、従業員エクスペリエンス、そして製品開発まで、幅広い領域で活用できます。どの目的であっても、調査を始める前の入念な準備が欠かせません。
- 調査課題を明確化し、プロジェクト関係者全員の合意を取ること
- 参加率を最大化するためのコミュニケーション計画を作成すること(導入メッセージ、告知、リマインダー、フォローアップを含む)
- 本調査の前にプレテストを行い、実施上の問題を丁寧に洗い出して解消すること
- フィードバックループを閉じること(調査後、実施した対策が参加者の声にどのように基づくかを知らせる)
- 今後に備え、調査パネルの活用を検討すること(自社で構築する方法と、外部プロバイダーが管理するパネルの両方を含む)
市場調査アンケートでよくある失敗とは?
適切な調査ツールと、信頼できる調査プラットフォームのサポートがあれば、市場調査の専門家でなくてもスムーズに進められます。しかし、注意しておくべきポイントがいくつかあります。
調査対象者の選定ミス
調査対象者を決める作業は、一見すると簡単で時間もかからないように思えるかもしれません。ですが、誤った対象者に調査を行ってしまうと、集まるデータの信頼性が低くなり、市場調査全体が間違った方向へ進んでしまう恐れがあります。これは「標本枠誤差」と呼ばれる問題の一つです。
サンプルサイズの誤り
サンプル数が少なすぎると、母集団を正しく反映しない偏ったデータになるリスクがあります。一方、多すぎる場合は、価値に見合わない時間とコストがかかる可能性があります。
市場調査に適したサンプル数を決める際には、当社のサンプルサイズ計算ツールが役立ちます。
誤った分析手法の使用
コンジョイント分析と t 検定の違いを理解していますか?
分析機能が搭載されていない調査ツールを使う場合、市場調査データを正しく読み解くために、基本的な統計検定の種類を把握しておくことが欠かせません。収集するデータの種類と、それに適した分析手法を正しく組み合わせることで、アンケートから精度の高いインサイトを得ることができます。
紛らわしいアンケート質問の作成
調査で使う質問は、日常会話や一般的な文章の質問とは大きく異なります。調査質問は、非常に具体的で明確であることが求められ、適切な文脈を示すと同時に、回答を誘導したり偏らせたりする表現を完全に排除する必要があります。
優れた調査質問の作り方については、当社の「優れた調査質問の作成ガイド」をぜひご覧ください。
調査方法の種類
調査方法は、ターゲット層、配布手段、そして得たい回答の性質に合わせて選ぶことが重要です。たとえば、インタビューは個別の深掘りに適していますが、大規模展開が難しく、コストも高めです。対照的に、オンライン調査は広い層に効率よくリーチできますが、回答者と直接対話する機会はありません。
ここからは、さまざまな調査方法とその効果的な活用法を紹介します。
オンライン調査
参加者がオンライン調査にアクセスするには安定したインターネット接続が必要ですが、モバイル端末のデータプランにより、ほとんどの人が容易に接続できます。
オンライン調査を最適にカスタマイズするには、柔軟性と充実した機能を備えた優れた調査ソフトウェアプラットフォームが必要です。特に、企業にとって価値の高いプラットフォームを選ぶことで、費用対効果を最大化できます。
例えば、Qualtrics XM Platform™ は、エクスペリエンス管理のための最先端のエクスペリエンスOSです。組織全体の業務データとエクスペリエンスデータを統合し、従業員、顧客、見込み客などに向けた体験の創出と改善を支援します。調査記録は自動で更新され、組み込みの分析エンジンを活用すれば、数回のクリックで調査プロジェクトを最初から最後まで処理できます。
紙調査
紙調査(筆記調査)は、印刷された調査用紙に手書きで回答してもらう方式です。回答者に十分な時間やインセンティブがあり、研究者が回収・整理・分析の前に、手作業でデータを集めることに支障がない場合に向いています。
郵送調査
郵送調査は、印刷した調査票を郵送できるため、広い地域に調査を行うことが可能です。ただし、回答者が返送する必要があるため、返信用封筒と切手を同封することを強く推奨します。これがないと、回答率が下がってしまいます。
電話調査
電話調査は、研究者が電話を通じて回答者に質問を行う調査方法です。比較的手軽で高額な費用もかからないため、一般的に利用されています。ただし、研究者は面談のスケジュール調整や会話内容の記録などに時間を割く必要があります。
対面インタビュー/直接調査
対面インタビューや直接調査は、参加者からより洞察に富んだ価値ある回答を得る絶好の機会です。なぜそのように考え、感じているのかを素早く把握でき、対象や問題に対する偏りのない見解を提供します。ただし、電話調査と同様に、準備やデータ収集に多くの時間がかかります。
パネル調査
パネル調査は、事前に選定されたグループをサンプルとして使用するため、調査を迅速に実施できます。データの収集速度と品質のバランスが取れた方法と言えます。
このような調査の活用方法は?
今回ご紹介している調査は、あらゆる企業において以下の4つの目的で使用できます:
1. 市場調査
言葉通り、市場に存在する顧客層やニーズに最適に応える方法を理解するのに役立ちます。
市場記述調査
市場の規模と相対的な市場シェアを特定する。この調査は、市場成長、競争上の位置付け、市場シェアの追跡に関する重要な情報を提供してくれます。
市場プロファイリング/セグメンテーション調査
顧客層の特定、非顧客層の特定、また顧客となる/ならない理由を解明する。多くの場合、記述的な市場セグメンテーションと市場シェア分析を行います。
購買プロセス段階/追跡調査
顧客が導入プロセスのどの段階にあるかを理解する。この情報は、製品の認知度→認知→購入意向→試用→購入→再購入の段階を示してくれます。
2. 顧客体験調査
このタイプの調査は、顧客の立場に立って自社ビジネスを客観的に見直す際に活用できます。
顧客意図-購買分析調査
現在の顧客を理解する。顧客が製品への関心から実際の購入に至る動機は何か?顧客のコンバージョン、コミットメント、ロイヤルティを理解する鍵となる部分です。
顧客態度・期待度調査
広告戦略の策定、顧客のコンバージョン率・コミットメント・ロイヤルティ向上を図る。製品は顧客の期待に応えているか、顧客は製品や企業に対してどのような態度を形成しているかを理解できます。
セールスリード生成調査
セールスリード生成調査の目的は以下の通りです。
- 営業リードのタイムリーな活用とフォローアップの確保
- 営業リードの適格性評価(これにより貴重な営業担当者の時間を節約)
- 営業リードの効果的な追跡提供
顧客信頼度/ロイヤルティ/維持率分析調査
特に高価格の消費財で意思決定・購入プロセスが長い場合(ニーズ認識から購入までの期間)に有用。製品や企業に対する消費者の態度形成の深さを探る調査です。
営業効果調査
営業活動、業績、望ましい測定可能な効果や目標達成への効果性に焦点を当てた複合的指標。多くの場合、営業担当者、顧客(営業訪問を評価)、営業担当者を評価する責任者による360度評価調査として実施されます。
カスタマーサービス調査
顧客満足度調査に似ていますが、実際に受けたカスタマーサービスの内容、サービス提供プロセス、サービスプロセスに関与した担当者への評価に焦点を当てるのが目的です。
カスタマーサービス担当者(CSR)調査
CSRは不満や燃え尽き、離職率や定職率を示しますが、ここではCSRの定着率向上、コスト削減、顧客関係の質向上に焦点を当てることを目的をしています。
CSRは職務に関連する活動について、以下のような項目に着目します。
・時間の配分
・顧客ニーズへの対応方法
・職務改善の方法
・ベストプラクティス
・内部部門の顧客支援の質
3. 製品調査
製品開発において、調査は顧客が最も魅力を感じる機能や利点、属性を明らかにし、製品・体験・サービスを最適な形で提供する方法を示します。
新製品・サービス・体験コンセプト分析調査
コンセプトテスト調査は、新製品コンセプトの初期評価に適しています。コンセプトに対する好意・受容性・購入意向を測ることで、有用な指標を得ることができます。
コンセプト最適化・需要予測・コスト分析調査(コンジョイント分析)
機能や利点の最適な組み合わせを決定し、関連する需要を予測します。この調査により、代替となる潜在製品の市場シェアや市場可能性を把握することができます。
習慣と実践、または態度と使用状況調査
製品の使用方法、使用時期、使用場所などを含む使用状況を把握することを目的とします。習慣や実践の調査には、実際のまたは仮想的な食品庫監査が含まれる場合があります。態度と使用状況の調査は、製品カテゴリーや生活全般に対する消費者の態度を理解するために用いられます。また、製品やブランドの使用状況(使用方法、使用時期、使用場所を含む)も調査対象となります。
製品満足度調査(属性・機能・約束された利点)
製品が約束する利点群(有形・イメージの両面)を評価することを目的とします。広告・パッケージ・外観によって形成された製品への期待が、実際に製品によって満たされているかどうかを確認します。
競合ベンチマーク調査
競合他社と比較した市場における自社の評価に関するベストプラクティスを調査することを目的とします。競合ポジショニング分析では、多次元尺度法を用いて製品を構成する属性や利点を比較することが多いです。また、主要競合他社の評価も含め、製品満足度調査と同様のKPIや属性を分析対象とします。
販売予測と市場追跡調査
販売予測と市場追跡調査には、専門家の意見(専門家による市場予測)、判断的ブートストラップ法(入手可能な二次市場情報の活用方法を記述した専門家ベースのルール)、コンジョイント分析(意思決定で重要となる製品属性に基づく消費者意向の推定)、意向評価(消費者が自己申告する将来の購入意向)が含まれます。
価格設定調査と需要弾力性分析
価格調査では、需要弾力性を推定し、価格が低すぎる場合や高すぎる場合を含む最適な価格帯を示します。また、価格調査によって、異なる製品・サービス区分や使用状況ごとの需要を推定することも可能です。.
4. ブランド調査
調査を行うことで、消費者があなたのブランドをどのように見ているのか、どんな価値観やイメージを結びつけているのかを把握できます。ブランドが提供する価値を明確にし、市場で競合より選ばれる存在になれるかどうかを見極めることができます。
ブランド・エクイティ分析調査
市場においてブランドが持つ心理的価値を明らかにします。ブランド・エクイティは、ブランド認知度、ブランド品質、ブランド連想、ブランドロイヤルティといった指標の複合体です。
広告価値特定・分析調査
広告価値分析では、広告に紐づく階層的な属性、便益、価値をマッピングすることに重点を置きます。手段‐目的分析が、このタイプの調査で頻繁に用いられます。
広告メッセージ効果調査(媒体とメッセージ)
メッセージ効果テストでは、回答者へ与える印象や感情、そして望ましい目標(認知度向上、製品理解の促進、試用、リピート購入)へどれだけ誘導できるかを測定します。
適切な調査手法が決まったら、次は回答者が進んで答えたくなる調査票を作成しましょう!
調査リサーチの作成方法(無料サンプルテンプレート)
調査手法は、実際のビジネス課題に関わるデータ収集や疑問の解決に活用できます。Qualtricsは、あらゆるチャネルや顧客体験のあらゆる段階での顧客調査を支援し、より確かな判断につながる回答を提供します。
調査を始める際の参考として、無料でご利用いただける各種調査サンプルテンプレートを以下にまとめています。
- 従業員満足度調査点テンプレート
- 従業員離職時アンケートテンプレート
- 顧客満足度(CSAT)調査テンプレート
- 広告テスト調査テンプレート
- ブランド認知度調査テンプレート
- 製品価格調査テンプレート
- 製品調査アンケートテンプレート
- 従業員エンゲージメント調査テンプレート
- 顧客満足度調査テンプレート
- NPS調査テンプレート
- 製品パッケージ試験調査テンプレート
- 製品機能優先順位調査テンプレート
大規模なリサーチを行う場合には、Qualtricsが市場調査サービスを提供し、質問票の設計から調査手法の選定、実施、分析まで、あらゆるプロセスを総合的にサポートします。