カスタマー エクスペリエンス (CX) とは
事業の長期的戦略・計画を立てる際に、カスタマー エクスペリエンス (顧客体験) という言葉が頻繁に使われるようになりました。カスタマー エクスペリエンス (CX) とは、顧客がブランドに触れる際に、そのブランドをどのように認識するかということを意味しています。つまり、カスタマーエクスペリエンスとは組織や企業に対する「知覚の総体」を表しています。また、カスタマーエクスペリエンスはカスタマーサービスやカスタマー リレーションシップマネジメントとは異なり、ビジネスのたった一つの領域だけに存在しているものではありません。
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XM Institute によるカスタマー エクスペリエンス (CX) のご紹介動画(英語)
製品やサービス、ブランド メッセージ、販売時・販売後のタッチポイントなど、カスタマー エクスペリエンスの全体的な文脈を設定するのは企業や組織です。しかし、これらのタッチポイントを顧客がどのように体験・認識するかは、顧客の認識に依存する場合が多くあります。
つまり、企業や組織が顧客に影響を与えることは可能である一方で、最終的には企業や組織が完全にコントロールできるものではないと理解することは重要です。むしろ、タッチポイント体験は、顧客とそのジャーニー (購買までのプロセス) に影響されることの方が一般的です。
近年では、ソーシャル メディア (SNS) で情報が共有されることが増えています。ブランドが自社への認識を管理するためには、新しいテクノロジーと仕事の進め方に賢く投資することが推奨されます。成功するか、失敗するかは、テクノロジーを使いこなせるかどうかに大きく左右されるといっても過言ではありません。
カスタマー エクスペリエンス (CX) とカスタマーサービス (CS) の違い
カスタマー エクスペリエンス (CX) とカスタマーサービス (CS) はどう違うのでしょうか。カスタマー サービスとカスタマー エクスペリエンス管理には「顧客を幸せにする」という重要な共通の目標が存在します。
しかし、カスタマー エクスペリエンスは、単に古い概念に新しい名前を付けたものではありません。カスタマー エクスペリエンスは、カスタマー サービスを含む複数の要素から構成される、より広い概念です。
一方で、カスタマー サービスとは顧客サービス センターからのEメール、店舗での対面対応、受付での対応など、カスタマー ケアの質を指します。ここには、スタッフとのやり取りや、Web サイトのサポート ページ、チャットボットなどのサービス ツールを通じて提供する内容も含まれます。
カスタマー サービス担当者は問い合わせの対応、一般的なアフターケアや発生したクレームを取り扱います。つまり、顧客と接する役割を担う部門または職種と定義されます。カスタマーサービスは、カスタマー エクスペリエンスの重要な構成要素です。
カスタマー エクスペリエンスにはカスタマー サービスだけでなく、マーケティング、広告、製品デザイン、採用決定、物流、ブランド目的、店内の美観、サプライチェーンの選択など、顧客の成果に影響を与える企業運営のあらゆる部分が含まれます。また、カスタマー エクスペリエンスは自社の管理範囲を超え、サード パーティ プラットフォームでの口コミや意見、メディアの報道、有名ブランドの場合はポップカルチャーにおける位置付けにまで及びます。
まとめると、カスタマー エクスペリエンスと呼ばれる範囲は非常に広く、カスタマーサービスはその中に位置付けられる、比較的小さな要素であるということになります。
カスタマー エクスペリエンス (CX) はなぜ重要か
ほとんどの企業は、優れたカスタマー エクスペリエンスの中核となるブランド プロミスを一貫して提供しています。そして多くの企業は、顧客に良好なエクスペリエンスを提供することが、金銭的なプラスになることも認識しています。しかし、以前はブランドが財務業績と関連付けられることは少なく、どちらかといえばネット プロモーター スコア(NPS)の向上が主な目的でした。こういった過去を考えると、現代では大きな転換期を迎えたと言えます。
我々は、顧客を「自分たちがパーティに招いたゲスト」だと考えています。我々はおもてなし役です。 我々の仕事は、カスタマー エクスペリエンスのあらゆる重要な側面を少しでも良くすることです
– ジェフ・ベゾス、Amazon
カスタマー エクスペリエンスの捉え方の変化に伴い、企業は CX が目的を達成するための手段であることを認識するようになりました。これは、CX の指標が高い場合でも、それに伴う財務パフォーマンスの向上がなければ意味がないということです。
CX 向上・5つのメリット
CX リーダー企業と CX 後発企業
- #1 – 2020 年までに、カスタマー エクスペリエンスが価格や製品よりも重要なブランド差別化要因になると予測ーWalker
- 13% – 劣悪なカスタマー エクスペリエンスを受けた人の再購入可能性。良好なカスタマーエクスペリエンスを受けた人の可能性は 86% - CX – XM Institute
- 6倍 – 2010年から2015年の間にCXリーダーはCX後発企業に比べて6倍速の成長を遂げる – Forrester
良好なカスタマー エクスペリエンスとは
前項までで、カスタマー エクスペリエンスは、当事者となる企業が完全に制御・管理できるものではないという事実に触れました。これには複数の理由が存在します。
- カスタマー エクスペリエンスは複数の要素から構成されていますが、その中にはユーザーが作成したソーシャル メディア コンテンツや口コミサイトなど、企業が直接影響を及ぼすことが不可能である要素も存在します。
- 顧客が自らジャーニーを作る場合もあります。顧客は、特定のプラットフォームやチャネルから、別のプラットフォームやチャネルに移動することがあります。場合によっては、企業が想定していないルートで移動する場合もあります。カスタマー エクスペリエンスは各タッチポイントの品質ではなく、ジャーニー全体から得られるものです。
では、良好なカスタマー エクスペリエンスとはどのようなものか、また、その提供において目標を達成できたかを、企業として判断するためには何が必要なのでしょうか?
カスタマー エクスペリエンスを理解するためには、ストレートに顧客に尋ねるのが一番です。以降のセクションでは、各種のCX 指標と、優れたカスタマー エクスペリエンス管理プログラムの基礎となる要素をご紹介します。
CES、CSAT、NPSなどの定量的指標のトラッキングだけでなく、顧客からの定性的なエクスペリエンス データを収集し、それに基づいて行動するように設定することが推奨されます。こうすることで、顧客が期待する個別化されたエクスペリエンスを提供することが可能になります。
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カスタマー エクスペリエンス (CX) の管理方法
CX が企業に対する顧客の認識であるならば、カスタマー エクスペリエンス管理 (CXM) は、その認識をコントロールするための戦略です。CXM は単に「管理」するだけでなく、常にトラッキングし、すべての行動の中心に据える戦略へとシフトしています。そのため、CXM という言葉には、やや古い印象があるかもしれません。しかし、Forrester が SaaS 型 CX プロバイダーのランキング ”Forrester Wave” でこの単語を使用したことから、現在も使用されています。
CX の管理方法を理解するには、まずエクスペリエンス管理 (XM) 、つまり顧客・従業員・製品、ブランドという、事業の中核を構成するエクスペリエンスを測定し、改善するための知識を得る必要があります。
また、CX は XM の一部を構成しているため、企業はテクノロジー・カルチャー・そして前述した6種類のコンピテンシーの組み合わせによって構築されたXM オペレーティング フレームワークを採用することが望ましいといえます。各要素に加え、関連する 20 種類のスキルにも注意を払う必要があります。
ーXM オペレーティング フレームワークコンピテンシー
6種類の XM コンピテンシーを活用したカスタマー エクスペリエンス管理
- 導入(Lead) ー 顧客体験向上のための明確なゴール設定
- 実現(Realize) ー顧客体験向上を経営目標の実現に繋げるための指標設定・追跡
- 活性化(Activate) ー スキル・専門性の向上
- 啓発(Enlighten) ー 実データから発見した、アクションに繋がる情報の共有
- 対応 (Respond) ー改善施策の優先順位付けと実行
- 差別化(Disrupt) ー 差別化を図れるエクスペリエンスの理解と想像
XM Institute は、6種類の XM コンピテンシーにおける組織の強みと弱みを特定するために、CX 成熟度評価を提供しています。
カスタマーエクスペリエンス (CX) 戦略の構成要素
良好なカスタマー エクスペリエンスの提供は、業績の向上につながります。顧客がブランドに対して抱く期待や、自社の顧客に満足してもらうために何が重要なのか理解することは、優先順位の設定と投資のリスク軽減に役立ちます。このため、カスタマー エクスペリエンス戦略の策定に着手する前に、このプログラムに対するビジョンを検討することが推奨されます。エクスペリエンス デザインを始めるためのステップについては、無料のガイドブックをぜひご参照ください。
ここでは、優れたCX 戦略の中核となるポイントを紹介します。
1. カスタマー ジャーニー マッピング
現在のエクスペリエンスを理解するための最初のステップは、カスタマー ジャーニー マッピングです。まず、各タッチポイントでのカスタマー エクスペリエンスの内容を理解します。多くの場合、企業は各スポットで良好なサービスを提供しているものの、タッチポイントから別のタッチポイントへと移動する「線」の視点から見ると、理解しづらい点やフラストレーションがたまる点が見えてくることも少なくありません。各タッチポイント=「点」だけでなく、顧客の「ジャーニー」=「線」を見ることで、顧客の視点からエクスペリエンスを構成することが重要です。
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2. 部門横断的なコラボレーション
事業がサイロ化されている状態で、一貫したサービスを提供することは困難です。事業全体が顧客のエクスペリエンスに与える影響を理解しない限り、その進歩は限られたものにならざるを得ません。
例えば、請求業務やクレジット業務は、最前線のデリバリーから切り離されていると考えられています。しかし、顧客にとって請求関連手続きが煩雑であれば、店舗 やデジタル から得られるポジティブなエクスペリエンスが損なわれてしまう可能性があります。
部門横断的なエクスペリエンス 管理を活用すれば、こうしたサイロを解消し、有意義な方法でカスタマージャーニーのエクスペリエンスを向上させることが可能になります。顧客中心の視点に徹することで、既存のプロセスを再調整し、より優れたエクスペリエンスを提供できるようになります。 効果的なカスタマーエクスペリエンス戦略は、複数の部門が連携し、従業員一人ひとりが何らかの形でそのエクスペリエンスに関わっているという理解の上に構築されます。
3. リスニング
顧客中心主義に基づく CX 戦略を策定するためには、企業は自社のカスタマー ジャーニーにおける現状を把握し、効果的な改善策を見出す必要があります。CX プログラムは顧客が何を体験しているか、その体験がブランドとのエンゲージメントにどのような影響を与えているかをリアルタイムに把握するようなものである必要があります。
顧客に喜ばれるエクスペリエンスを一貫して提供するためには、顧客の声に継続的に耳を傾けることが最も効果的です。タッチポイントと体験の範囲にわたってリアルタイムで顧客のフィードバックを収集し報告することで、改善すべき点を特定し、優先順位をつけることができます。なぜなら、顧客は企業が耳を傾けているか否かに関わらず、肯定的なものも否定的なものも含めて、自分の視点から発信を続けるからです。
CXリスニング プログラムには、以下の要素が含まれています。
- リレーションシップ トラッキング ー 組織に対する顧客の態度を理解するための定期的な調査です。リレーションシップ スタディから得られる知見は、多くの場合、CX プログラム全体の優先順位を決定する原動力となります。
- ジャーニー フィードバック ーカスタマーサポートを受ける、製品を購入するなど、カスタマー ジャーニーにおけるタッチポイントの直後に、顧客の認識を特定するものです。
- インタラクション フィードバック ー 特定の顧客接点のトラッキングと改善に使用されます。成功・エフォート・感情というフィルターを通して、顧客がどのようにエクスペリエンスを認識しているかを理解できます。
- 常時リスニングー 顧客からのフィードバックは、必ずしも積極的に収集する必要はありません。Web サイトやモバイル アプリでデジタル フィードバックを収集できるようにすれば、顧客は好きなタイミング・好きな方法でフィードバックを提供することができます。
- パッシブ リスニング ーこのタイプのリスニングは、ソーシャルメディアの投稿やカスタマーケアでの対応など、市場における既存の顧客シグナルの収集と分析に基づいています。
4. コミュニケーション
エクスペリエンスを向上させるためのアクションやコミュニケーションは重要です。顧客は単に話を聞くだけでなく、企業やブランドが実際に行動を起こしていることを知りたがっています。 また、顧客との直接的な関わりや問題解決から生まれるポジティブな口コミは、既存顧客と潜在顧客がそれぞれ自社をどのように捉えているかを理解する面からも役に立ちます。
顧客ロイヤルティは、顧客が期待するブランド プロミスを一貫して提供することによって獲得されます。 顧客が最も重視することを常に提供することが、CX の成功の鍵です。 また、カスタマー エクスペリエンスの失敗を認め、解決することも、ブランドに対する信頼の構築に貢献します。
Qualtrics XM Platform は、顧客フィードバックを収集・分析・対処するプラットフォームです
最も不満を抱いた顧客こそが、最も学ぶべき源なのだ。
– ビル・ゲイツ
カスタマー エクスペリエンス (CX) の計測方法
CX の測定で最も重要なことは、測定すること自体が目的ではないということです。つまり、NPSやCSATでより高いスコアを追い求めること自体が目的であってはならないということです。CX の取り組みを測定する目的は次のとおりです。
- 実施したアクションの進捗を確認する
- 改善点を特定する
- CXのROIを計算する
- 行動の優先順位付けと適切な投資の参考とする
NPS のようなX-Data指標と、平均消費額や顧客維持率のような O-Data 指標を組み合わせることは、非常に重要です。例えば、NPS の急上昇は、不満を抱いた顧客から見放され始めている状況を反映している可能性があります。
CX 指標の種類
- ネット プロモーター スコア(NPS) ー NPSの価値については活発な議論がありますが、基本的に NPS は全体的な顧客支持の定点観測データを提供するものとして理解しておきましょう。しかし、組織内では、その使用と限界に関する期待値を設定する必要があります。加えて、文化的な違いやスコアと解釈の整合性欠如している(例えば、評価「6」は、必ずしも不満を抱いた顧客からのものであるかは不明)という問題もあります。
- Customer Effort Score (CES)ー CES は、デジタル サービスの基本的な機能性と顧客のニーズとの関連性を理解するのに役立ちます。この指標は顧客が任意のタスクをどの程度簡単に完了できるかに焦点を当てます。
- 顧客満足度 (CSAT) ー CSAT では、製品やサービスに対する顧客の満足度を把握することができます。様々なタッチポイントでこのデータを収集することにより、カスタマージャーニーにおける様々な位置でのポジティブ・ネガティブ両面でのエクスペリエンスの主な要因特定に貢献します。
カスタマーエクスペリエンス (CX) を向上させる方法
1. 顧客が最も価値を感じる要素は何かを理解し、その提供に集中する
顧客のブランドに対する捉え方や、顧客にとって最も重要な瞬間を理解することは非常に重要です。「ブランド プロミス」を日々一貫して提供することは、顧客の維持やブランド ロイヤルティの確立、そして顧客基盤拡大への大きな足掛かりとなります。
顧客にとって重要な要素とは何かを理解することで、行動と投資の優先順位を決めることができます。どのような体験要素のリストであっても役に立たないものあります。重要なのは、最もパフォーマンスの低い要素が顧客にとって最も重要でない要素であることを認識することにあります。一般的にはキードライバーから導き出される、このような整合性は、ビジネスの焦点と KPI の関連性維持に役立ちます。
また、改善しようとするロイヤルティ行動を特定することで、その行動が主要なCX指標の変化をどのようにもたらすのかを経営層に提示し、効果的なモデルを構築しましょう。これにより、継続的なCXへの支出に対する同意を得られ、継続的な改善を実現することができます。
2. 顧客の声に耳を傾け、フィードバックに基づいて行動する
生産的なアプローチの一つとしては、クローズド ループ プロセスで顧客の懸念に直接対応することが挙げられます。B2B の CX では、満足度の低い顧客やNPS の低い顧客をフォローアップすることも可能です。B2B の CX は B2C に比べてレスポンス数が少ない一方で、顧客との関係はより近い傾向にあります。そのため、アプローチとしては非常に生産的です。
B2Cの場合は、アンケートへの回答率が高くなることが多いでしょう。もちろん、顧客から問題提起されたことは解決すべきですが、実際には回答数の低い人へのフォローは非生産的な場合が多くあります。特に担当マネージャーがトレーニングやコーチングを受けていない場合は、こういった問題を議論できるよう改善することが推奨されます。
また、従業員の話にも耳を傾けることが重要です。多くの場合、従業員は顧客フィードバックプログラムを通じて問題を発見するより、すでにスピーディーに深く問題や機会を特定する情報を豊富に持っています。実際、従業員の声に耳を傾け、それに基づいて行動し、クローズド ループ プロセスをマスターしている企業は最高の CX を実現しています。顧客の声に耳を傾け、フィードバックに基づいて行動しましょう。
3. 実際にアクションを起こしていることを見せる
カスタマー エクスペリエンス プログラムは、ブランドとその顧客との間の継続的な話し合いを意味します。そのため、特に連絡を求めていない回答者に対しても、フィードバックへのアクションを起こしていることを実際に見せる、また示すことが重要です。顧客主導の取り組みと並行してシンプルなメッセージ(例:「お話を伺いました」)を表示させるように、何らかのフィードバックを提供することが大切です。顧客が企業がフィードバックを真剣に受け止め、それに基づいて行動していると思ってくれれば、顧客は自分のエクスペリエンスに関するフィードバックを提供することには積極的になるはずです。
4. 測定ではなく改善に焦点を当てる
カスタマー エクスペリエンスとは測定基準ではなく、実質的なビジネスに利益をもたらす継続的なプログラムです。つまり、数字を追いかけるだけでは意味がないということです。もちろん、測定値は具体的な成果をもたらす CX プログラムの改善を推進するために使用しますが、CX 指標をレビューする際は、その結果から学び取り行動項目と組み合わせるようにしましょう。
CXプログラムに勢いをつけるためには、早めに成果が出せるプロジェクトを実施し、その成果を共有すると効果的です。
5. 成功を積み重ねる
XM Instituteは、CX プログラムの設計、実施、CX成熟に役立つリサーチとツールを提供しています。また、クアルトリクスからも多くの資料が日本語で提供されています。
顧客が「また見たい」「友達を連れてきたい」と思うような良いものを提供せよ。
– ウォルト・ディズニー
デジタル カスタマー エクスペリエンスについて
企業は主要なデジタルコンポーネントを理解することで、デジタルチャネルの統合を改善し、ブランドエクスペリエンスを最適化することができます。ここではデジタルCXの最適化へのアプローチ方法をいくつか紹介します。
戦略的に進める
デジタルCXの中ではあまり目立たない部分ですが、ページの読み込みや購入プロセスの障壁を理解することはデジタル コンバージョンにとって非常に重要です。このアプローチは診断的であり、多くの場合、カスタマー エフォート スコア(CES)等の指標を使用します。つまり、顧客がデジタル チャネルを効果的に使用することがどれだけ難しいか、そして顧客がタスクを完了することができたかどうかを見ていきます。
全体を見る
デジタル チャネルが顧客体験全体(検討から購入まで)において果たす役割を理解することは困難ですが、最も重要な部分でもあります。例えば、企業は「買い物かご」が放棄されたままの状態をコンバージョンの失敗と見なしがちです。しかし、顧客が完全に放棄しているわけではなく、実際には購入の途中である可能性もあります。こういった状況を理解することは戦略的にも重要です。特に消費財の場合、顧客はオンラインで購入候補商品を検討した後、店舗に出向いて特定の商品を試したり体験したりすることがあります。もちろん、こういった顧客は店舗で購入するかもしれませんが、デジタル エクスペリエンスが購買行動に大きな影響を与えることは確かです。
チャネルに注目する
各チャネルの役割を理解することは、ブランド エクスペリエンス全体を最大化するために非常に重要です。通常、顧客はチャネル単位で考えるのではなく、問題を解決してから選択肢を見つけたいと考えています。コンバージョンには複数のチャネルでの接触が不可欠な場合があることを理解しておきましょう。各チャネルが果たすさまざまな役割を理解することで、より顧客中心のビジネスが可能になります。
顧客体験価値を高め
「顧客」を「大ファン」に変身させる
クアルトリクスのプラットフォーム