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測定するべきカスタマーサービス指標トップ10

この記事は 9分 で読めます
この記事では、カスタマーサービス指標をビジネスに活かす方法を解説しています。


カスタマー サービスは、優れたカスタマー エクスペリエンス(顧客体験/CX)の中核をなすものです。過去一年間に、劣悪なカスタマー エクスペリエンスが原因でサービスの提供元企業を切り替えたことがあると回答した米国の消費者は、52% にものぼります。

適切な指標を使用することで、現在の状況、顧客との関係が良好な部分、改善すべき部分を把握することができます。この記事では、測定することで役立つ指標をご紹介しています。

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カスタマーサービス指標とは?

カスタマーサービス指標は、顧客の幸福度を測る単位です。顧客がより多く購入するか、良好に反応するか、ブランドを支持するかが示されます。

測定すべきカスタマーサービス指標のトップは、以下の通りです。

  1. 顧客満足度(CSAT)
  2. カスタマー エフォート スコア(CES)
  3. ネット プロモーター スコア(NPS)
  4. SNS 指標
  5. 顧客離脱率
  6. 最初の応答時間
  7. 全体の解決率
  8. 初回コンタクトでの解決率
  9. 顧客からのチケット発行量
  10. チケットの平均処理時間

カスタマーサービス指標はなぜ重要なのか

顧客の購買体験やユーザー エクスペリエンス (UX) を向上させるために、優れたセールスやマーケティング施策を実施しても、その効果を測定していなければ、どの程度成功したのか、どこでどのように改善する必要があるのかを知ることはできません。もちろん、時間、エネルギー、コストも無駄になります。

この効果は、例えば以下のような方法で測定することができます。

  • 優れたサービスを提供するために、サポート チームはどの程度機能しているか
  • ブランド、製品、サービスのキーメッセージは、どこまで顧客に響いているか
  • ブランドに対する顧客の本音はどのようなものか
  • 顧客とのタッチポイントを増やすにはどうすれば良いか
  • 組織内の営業プロセスはどの程度効率化されているか

エクスペリエンス データ(X-data)とオペレーション データ(O-data)指標について

クアルトリクスは、カスタマー エクスペリエンス (CX) のエキスパートとして、11,000を超える企業・ブランドの業績向上を支援してきました。この際にクアルトリクスが重視しているのは、オペレーション データ(Oデータ)エクスペリエンス データ(Xデータ)の指標を観察し、理解することです。

オペレーション データ(Oデータ) :売上高は、ひとつの指標に過ぎません。新規顧客数、ウェブサイト訪問者数、コールセンター件数、売上高などが、企業が頻繁に目にするデータです。これらは便利な指標である一方で、過去に「何が」「どのように」実行され、具体的に何が起こったのかという、全体像の一部分しか提示していません。

そこで登場するのが…

エクスペリエンス データ:(X-data)です。顧客が実際にどのようにサービスを体験したのか、そして重要なのは、顧客がブランドに対して「なぜ」そのように感じているのかという文脈を提供することです。これは、企業の担当者が考えていることと、実際に起こっていることの間のギャップを指摘する、「人間」らしいフィードバックです。エクスペリエンス データを使用することで、全体像を把握することができ、ビジネスの成果を向上させる可能性が最も高い分野に努力を集中させることが可能になります。

顧客が何をし、何を望み、何を感じているのか、そしてどのように顧客の求める方向のサービスを提供することができるのかを最もよく知るためには、両方のタイプのデータが必要です。両方のタイプのデータをカバーする以下の指標を使用して、顧客との関係を測定することが推奨されます。

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測定するべきカスタマー サービス指標トップ10

1.顧客満足度(CSAT)

CSAT とは、Customer Satisfaction Score(顧客満足度)の略称です。あらゆる種類のビジネスで、顧客サービスや製品品質の重要な業績評価指標として使用されています。

顧客満足度は一般的な概念ですが、CSAT は数値化できる明確な指標であり、パーセンテージで表現されます。つまり、100% であれば最高、0% であれば最悪ということになります。

測定方法:CSATは顧客のフィードバックに基づいて測定します。次のような質問をするか、複数のバリエーションを用いて収集します。

「あなたが受け取った[商品/サービス]に対する全体的な満足度はどれくらいですか?」

回答者は次の1~5の尺度を使用します。

  1. 非常に不満
  2. 不満
  3. どちらでもない
  4. 満足
  5. 非常に満足

ヒント:顧客サービス担当者とのやりとりのたびに、顧客満足度を測定しましょう。これらの評価は、特定のエージェントやチームがどのように機能しているかを分析するために、時系列で測定することができます。

Rate overall satisfaction question

2.カスタマー エフォート スコア(CES)

CESを調査する場合は、通常、「[企業名]とのやりとりは、”とても簡単 “から “とても難しい “の間で、どの程度でしたか?」という質問をします。これは、使いやすい製品やサービスほど、顧客のロイヤルティが高くなるという考え方に基づいています。

顧客離反の防止はビジネスの重要なドライバーであるため、CES はロイヤルティの優れた指標となります。この測定方法は、顧客が時間をかけず簡単に参加でき、異なるサービスや調査チャネルを横断して簡単に実施することができます。CESはビジネスの成果と相関性があり、長期的なトラッキングも簡単です。
測定方法:CES サーベイは、製品の購入やカスタマーサービスとのやりとりなど、特定のタッチポイントの直後に実施する必要があります。顧客が企業とやり取りをした際に、問題を解決するのがどれほど簡単だったかを尋ねるだけで、相手が顧客として戻ってくるかどうかがわかります。

さらにもう一歩踏み込んで、用事を済ませることが簡単だった・難しかったと評価した理由を尋ねることで、そのタッチポイントをどのように改善し、クローズドループを実践すべきか理解することもできます。

ヒント:CESは、導入や追跡が容易な調査であり、顧客ロイヤルティを測定するのに最適な調査です。しかし残念ながら、常に全体像が把握できるわけではなく、NPSと併用して使用する必要があります。

例えば、企業と良好な関係を築いているある顧客が、たまたま悪い対応に遭遇したとします。その際のCESだけを見れば、この顧客は高ロイヤルティ カスタマーではないと思うでしょうが、これは必ずしも事実ではありません。

3.ネット プロモーター スコア(NPS)

NPSとは、ネット プロモーター スコア(Net Promoter Score) の略で、カスタマー エクスペリエンス プログラムで使用される指標のひとつです。NPSは、顧客の企業に対する顧客のロイヤルティを測定するために使用されます。NPSスコアは、単一質問形式のアンケートで測定され、-100から+100の範囲で数値が報告され、スコアが高いほどよい結果とされます。

NPS®は、カスタマー エクスペリエンスの 標準的な指標としてよく知られています。2003 年にベイン・アンド・カンパニーが開発し、現在では数多くの企業が、顧客からの評価を測定・定点観測するために使用しています。NPSのスコアは、ネガティブなフィードバックとポジティブなフィードバックをセグメント化します。

測定方法:NPSスコアの測定方法は簡単です。推奨者の割合から批判者の割合を引くだけです。

例えば、回答者の10%が「批判者」、20%が「中立者」、70%が「推奨者」であれば、NPSスコアは70-10=60となります。

NPS Simulation 2

ヒント:CSAT とNPS には似通った部分もありますが、全く同じではありません。違いは、CSATが製品やサービスに対する顧客満足度を測定するのに対し、ネットプロモータースコア(NPS)は組織に対する顧客のロイヤルティを測定することです。

4.SNS 指標

企業に対する不満や賞賛の声を SNS 上で上げる顧客は数えきれないほど存在しますが、その意見に適切に対応することができている企業はほとんど存在しません。この状況は、顧客にとって一方通行でフラストレーションのたまる体験を作り出してしまいます。

SNS エクスペリエンス指標データを追跡することで、顧客に対応するタイミングを把握することが可能になるだけでなく、顧客から寄せられたフィードバックを理解し、問題に対処し、有効に機能しているシステムを効率よく維持することが可能になります。

このパフォーマンスの指標には、以下のような例が存在します。

  • ブランド名のメンション
  • ネガティブなコメント
  • アカウントや技術的な面に関する関する質問
  • 他のサポート リソースで対応可能な質問の合計数

測定方法:上記の基準をもとに、毎月これらを完成させ、その月ごとの変動を測定・分析し、全体的なトレンドの方向性を把握します。

ヒント:SNS チームと一緒に SNS 戦略に投資するか、少なくとも各 SNS プラットフォームのデータの見方と集め方を把握しておくことは重要です。

例えば、LinkedIn Analytics のような一部のプラットフォームは、独自の補完的なデータプラットフォームを持っており、デフォルトではメインサイトには表示されません。このような情報を把握しておくことは、結果を大きく左右する要素になり得ます。

5.顧客離反

顧客離反とは、顧客が製品やサービスの利用をやめることを選択することです。一言で言うと、「顧客が顧客でなくなること」と言えるでしょう。

顧客離反は避けられないものです。ビジネスを始めた時期に買ってくれた顧客の 100% が、数年先も自社と付き合ってくれると考えるのは現実的ではありません。しかし、顧客離反率が非常に高い場合、あるいは時間の経過とともに高くなる傾向を示している場合は、対策を講じる必要があります。

測定方法:顧客離反は、顧客離反率を使って測定されます。これは、1年、1ヶ月、会計四半期などの一定期間に顧客でなくなった人の数です。例えば、最近の来店回数が減り、NPS が低くなった顧客は、解約の確率が高くなる可能性があります。

ヒントPredict IQ は、データを分析することで、解約しそうな顧客やアカウントを特定するために役立つ SaaS ツールです。

また、顧客に対するサーベイを実施することも重要ですが、どのような内容を調査するかはもっと重要です。設問設計の考え方については、こちらのブログ をご参照ください。

6.最初の応答時間

Forrester の調査によると、77% の消費者が、時間を大切にすることが、優れたカスタマー エクスペリエンスを提供するために企業ができる最も重要なことであると回答しています。そのため、最初の応答時間を測定することは、顧客からの問い合わせを迅速に解決するための有効な運用指標となります。

フィードバックが記録されたことを示すために自動返信を送ることは有益ですが、本当に重要なのは、そのフィードバックがいかに迅速かつ容易に対応されるかということです。これらのベンチマークは、顧客からの問い合わせや懸念に対応する際の出発点としてご利用ください。

  • 電子メール・オンライン フォーム – 24 時間以内
  • SNS – 60 分
  • 電話 – 3 分
  • ライブチャットとインスタント メッセージ – 即時

計算方法:初回応答時間から、顧客からのリクエスト時間を引くことで、[#分/時間/日]一次応答率が得られます。

ヒント:ネット上で否定的な評価やコメントを受けたとき、あわてて対応するのは避けたいと思う方もおられるかもしれません。これは事実ではあるものの、対応を遅らせすぎることもリスクにつながります。このような場合、従業員が一人で悩み、ストレスを抱えることがないよう、適切な方法で迅速に対応できるような枠組みをあらかじめ考えておくとよいでしょう。

7.全体の解決率

顧客から質問や苦情があった場合、クローズド ループ を実行し、問題を解決することが必要です。もし企業からの対応が悪い、適切なサポートが提供されないと感じた場合は、顧客は他社に乗り換える可能性が高くなります。解決率の向上は、カスタマー サポート チームの有効性を示すものであるため、この業務指標は時間をかける価値のあるものです。

計算方法:全体の解決率指標の計算方法は以下のとおりです。

チケット総数 / 解決したチケット数

ヒント:データをグループ分けし、よくある質問や苦情の分析に取り組みましょう。この知識をもとに、これらに対応する FAQ を作成し、顧客の自己解決や解決までの時間の短縮に役立てましょう。

8.初回コンタクトでの解決率

顧客は、オペレーターからオペレーターへとたらい回しにされることを好まず、最初の接触で問題が解決されることを望んでいます。初回コンタクト解決率は、顧客からの問い合わせが 1 回で済むケースがどれだけあるかを測定するものです。

初回コンタクトでの解決率の高さは、CES と相関している可能性が高いため、運用上の指標として注目されることも珍しくありません。

計算方法:初回コンタクトでの解決率の計算方法は以下のとおりです。

初回コンタクトで解決したインシデント数/総インシデント数

ヒント:さらに、顧客が課題を解決するまでにかかった平均返信回数や、顧客がチケットを送信してから解決するまでにかかった時間を測定することも有効です。

9. 顧客からのチケット発行量

顧客が問題を解決するために利用できるチケット管理システムがあることは良いことですが、あまりにも多くのリクエストがある場合は、どこかしらに問題があることを示しています。この運用指標を常にチェックすることで、問題が顕在化する前に、その兆候を示すことができます。

計算方法:今月/今週のサポート チケットの量と前月または前週の量とを比較することで算出します。特に、新製品や新機能のリリース後にチケットの数が急増する場合は、注意が必要です。

Support ticket dashboard

ヒント:チケットの数が非常に多い場合は、カスタマー サポートの担当者を増員するか、UI/UXに問題がないかを検討する必要があります。また、顧客が自分でヘルプを得られるように、サポート記事を更新することも有効といえます。

10.チケットの平均処理時間

処理時間は、顧客担当オペレーターが1案件に実際に費やした時間を指します。時間が短ければ短いほど、チーム効率が高いということになります。しかし、この業務指標だけに注目しないことも重要です。オペレーターは、優れたカスタマー サービスの提供に注力する代わりに、カスタマー チケットを急いで処理する可能性があるからです。

計算方法:この数値を算出する目標は、処理時間を短縮し、オペレーターにより効果的に働いてもらうことです。タイムトラッキングシステムでは、エージェントがチケットごとに手動または自動で時間を記録し、1週間 / 1ヶ月の平均時間を検証します。

また、昨年のデータと比較することで、経年変化があったのかどうかを確認することもできます。

ヒント:オペレーターが長い電話に対応することを余儀なくされる事態はしばしば起こるものであり、無視してはいけません。これらは、エクスペリエンスの改善やプロセスの最適化のための根本的な問題を示している可能性があるからです。

データに基づいた意思決定

もちろん、カスタマー エクスペリエンスとサービスには、単に指標を把握する以上の意味があります。

得られた知見が有用であることを確認し、実際にサービスを改善するためには、行動を起こす必要があります。

データだけに注目するのではなく、顧客関係への取り組みの終わりとしてではなく、顧客関係の健全性を測る方法として指標を見る必要があるといえます。

指標の計測でカバーできるのは、この部分までです。その代わりに、これらの指標を利用して、行動を中心としたカスタマー エクスペリエンス (CX) プログラムに反映させましょう。そして、これらの指標を使用して、自社のアクションの影響をトラッキングします。これが、カスタマー サービス指標を最大限に活用する方法です。

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