メインコンテンツにスキップ
Qualtrics Home page

EmployeeXM の
機能を詳しく知る

製品ご紹介動画を見る

新入社員向けオンボーディング調査実践法: 何を聞くべきか・オンボーディング施策にどう活かすべきか

この記事は 6分 で読めます
新入社員のオンボーディングは、従業員エクスペリエンスに重要な影響を与えます。組織に適したオンボーディング戦略は、従業員エンゲージメントの向上、従業員とのつながりの強化、業績の向上、離職率の低下等と強い相関関係を持っています。この記事では、オンボーディングの有効な実施のために効果を発揮するオンボーディング調査の重要性と実践方法、質問例などを解説します。


オンボーディング調査とは

「日本の人事部」によると、オンボーディング (オン・ボーディングとも) は「中途入社者を含めた新入社員を早期に戦力化するための施策のこと」を指します。オンボーディング調査とは、新入社員に対し、募集から採用、入社までのプロセスをどの程度理解できたかを匿名で調査し、その結果を評価する調査です。新入社員調査とも呼ばれることがあります。

「オンボーディングを成功させることができるかどうかが、組織の命運を左右するといっても過言ではありません」

リズ・パベース-カプラン博士
クアルトリクス・従業員エクスペリエンス プリンシパル コンサルタント

オンボーディング調査は、新入社員のエクスペリエンスを測定し、人事部のリーダーがオンボーディングそのものと、オンボーディングのプロセスを改善するために役立ちます。

調査には、会社・組織のことを初めて知ったタイミングや最初の印象、面接のプロセスや新しい職務に就いてからの数カ月に至るまでをカバーする質問が含まれています。

オンボーディング調査は、新入社員全員から情報を収集することで、人事リーダーや管理職が新入社員の採用や研修にかける投資を最大化し、最適化することに貢献します。オンボーディング調査で得られる情報には、例えば以下のようなものが挙げられます。

  • 従業員満足度
  • 上司からのフィードバック
  • 研修プロセスの有効性
  • 継続勤務意向

【無料 eBook】『従業員エクスペリエンス プログラム設計ガイド』

なぜオンボーディング調査が重要なのか

新入社員が入社後はじめて具体的な業務に接することになる「入門」としての役割を果たすオンボーディングは、企業・組織を大きく左右するほどの重要性を持っているといっても過言ではありません。

新入社員が企業の一員となってからほぼ最初の エクスペリエンス (体験) を占めることになるオンボーディングは、新入社員が自社に対して抱く全体的な認識に大きな影響を与え、将来のエンゲージメント、モチベーション、さらには 継続勤務意向 にまでに影響してきます。

オンボーディングは、新入社員が会社との繋がりを醸成し、採用時に設定された期待に確実に応え、入社という選択を再確認し、新入社員が組織に貢献する能力を最大限に引き出すための時間として機能します。

オンボーディングは、従業員のライフサイクルにおいて重要な段階であり、新入社員が企業で成功するための土壌となります。優れたオンボーディング エクスペリエンスは、従業員が新しい役割に適応することを助け、価値ある仕事を迅速に提供し、新しい環境で成功することを可能にします。

オンボーディング調査を適切に実施することで、採用施策の効果について貴重な情報が得られるだけでなく、新入社員に対し、自社は自分自身の意見や感想に耳を傾けてくれていると感じることができるようになります。

逆にオンボーディングがうまくいかないと、新入社員は入社先の企業に歓迎されていないと感じ、疎外感を強めるだけでなく、取り返しのつかないことになる悪印象を抱いてしまう危険性があります。

入社先企業のオンボーディングやトレーニングの計画・実行が不十分なまま入社することになった新入社員は、組織の管理が悪い、自分はミスをしたと早合点してしまうかもしれません。このような結論は、誰にとってもコストのかかる時間の浪費となります。

ハーバード・ビジネス・レビュー (英語) によると、新入社員の 33% が入社後 6 ヶ月以内に転職先を探しているとされます。この数字には、オンボーディングの経験が大きく影響していると言われています。ミレニアル世代ではその割合はさらに高く、さらに早期に転職先探しを始めるとされます。

オンボーディング調査を実施するメリットとは

オンボーディング調査を実施することで、オンボーディングのどの部分が成果を上げており、どの部分が機能していないのか、何を改善する必要があるのか、従業員エンゲージメントに大きな違いをもたらしている、意外な要因に気づいていない可能性はあるか、などを理解することができます。

オンボーディング エクスペリエンスは、以下のような重要な従業員エクスペリエンスやエンゲージメントの KPI と、強い相関関係があります。

  • 勤続年数:オンボーディングの際のエクスペリエンスが良好であれば、従業員はその会社に長くとどまる傾向があります。
  • 育成期間:オンボーディングのプロセスが優れていればいるほど、新入社員はより早く業務に慣れ、会社に価値ある仕事を提供することができます。
  • 従業員アドボカシー:オンボーディング プロセスを改善することで、新入社員が自社を職場として推薦する可能性が高くなり、より多くの優秀な人材を組織に紹介できる可能性があることが示されています。

オンボーディング調査のベストプラクティス

オンボーディング調査は、一度作成してしまえば何年も使い続けられるというものではありません。ビジネスや従業員のニーズの変化に合わせて、常に進化させていく必要があります。

優れたオンボーディング調査は、プロセスの特定のマイルストーンで送信されます。トレーニング セッション完了後や自己紹介の日の終わりなどのタイミングで送ることも、「入社から 30 日後」など、一定の期間をおいて送ることもできます。

オンボーディングに対するフィードバックの目的は、プログラムの有効性を確認することです。そのためには、オンボーディング調査を、年次エンゲージメント調査や 360度評価 など、従業員ライフサイクルに関する別種のフィードバックと組み合わせることが効果的であるといえます。

これにより、オンボーディング プログラムが従業員ライフサイクルのさらに先にある他の領域に与える影響を監視することができます。例えば「オンボーディング プログラムは、12 ヶ月後の 従業員エンゲージメント に影響を与えるか」「オンボーディング プログラムと人事査定の結果の間に関連性はあるか」などです。

「上記のようなデータをまとめることで、取り組みの価値を実証し、改善すべき点を把握することができます。」

データを取得し、従業員ライフサイクル の他の部分にどのような影響を与えるかを理解することは、人事部における取り組みの優先順位を決める上で重要です。あらゆるタッチポイントの全体像を把握することで、どのような改善を実施すれば主要な KPI に最も大きな影響を与えることができるか、更にはその改善のためには何をすればよいかが明確化します。

クアルトリクスのオンボーディング & 新入社員向け従業員エクスペリエンス管理ソリューションでは、新入社員が特定のオリエンテーションのマイルストーンをクリアした直後に、自動的に調査を実施し、情報を収集することができます。
【オンデマンド ウェビナー】「やりっぱなしにしない、ストレスチェック」

オンボーディング調査用の設問例

会社が違えば、オンボーディングのプロセスも異なるのが当たり前であることを考えると、オンボーディング調査のも業界・課題・プロセス等の要素に合わせて調整する必要があります。ここでは参考として、ごく一般的な設問を 10 件紹介します。

  1. 全体として、仕事の責任を含め、自分の役割をどの程度理解できましたか?
  2. 面接の際、あなたの役割はどの程度正確に説明されましたか?あなたが期待していた通りの役割でしたか?
  3. 現在の職務はどの程度やりがいのあるものだと思いますか?
  4. あなたは現在の職務にどの程度強い関心を抱いていますか?
  5. あなたは自分の仕事をどのようにこなすか、どの程度理解していますか?
  6. 新しい役割のために受けたトレーニングに、どの程度満足していますか?
  7. あなたの役割で一緒に働くことになるすべてのメンバーに比して、どのくらいの人と顔合わせすることができましたか?
  8. 働く場所として、この会社にどの程度満足していますか?
  9. あなたの役割に基づいた内容で、上司との会話はどの程度有効でしたか?
  10. あなたのキャリアに基づいた内容で、上司との会話はどの程度有効でしたか?

上記のような一連の質問は、以下のような要素を理解するために有効です。

  • 新入社員の 従業員エンゲージメント レベルと仕事への打ち込み度合い
  • 新入社員がどの程度会社に溶け込んでいるか
  • 新入社員がどの程度役割と責任を果たす用意ができているか
  • 新入社員の定着率はどの程度になると考えられるか

オンボーディング調査の結果を評価する

オンボーディング調査の完了後は、寄せられたフィードバックをレビューすることが必要です。クアルトリクスの Text IQ を使用すると、自由記入欄に書かれた文章を分析し、最も重要な問題や改善の機会を把握することが可能になります。

また、従業員に対し、自社がフィードバックに耳を傾け、改善に取り組んでいることを周知することも重要です。クアルトリクスの調査によると、米国の従業員の 60% が、自分自身の従業員エクスペリエンスについて勤務先の企業にフィードバックを提供する方法があると回答しています。これに対し、勤務先の企業が自分のフィードバックに基づいて行動していると回答した従業員はわずか 30% でした。新入社員に時間を割いて調査に参加してもらう以上、時間をかけてでも取り組む価値があると理解してもらうことは重要です。

加えて、オンボーディング フィードバックを、従業員ライフサイクル全体の他のフィードバックと結びつけることで、入社時のエクスペリエンスと、育成・従業員エンゲージメント・離職等、他の重要な従業員ライフサイクル イベントとの間に関連性を持たせることができるようになります。これは、オンボーディング プロセスの影響と価値を証明し、改善がもたらす好影響についての仮説を立てるために必要不可欠なステップです。

従業員エンゲージメント は、従業員の生産性、離職率、収益、顧客エクスペリエンス に大きく影響することが証明されています。そして、従業員エンゲージメントは、新入社員が働き始めた瞬間から始まります。このことからも、すべての企業は、新入社員に優れたエクスペリエンスを提供することができているか、改善のポイントはどこにあるかを把握することが非常に重要であるといえます。

関連ページ

【無料 eBook】『従業員エクスペリエンス プログラム設計ガイド』